押される背中

搾り出して、歩み出せ

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今、会社のパンフレットなどを企画しています。
繁忙期に向けて忙しくなりつつある部署に
原稿の締切が近づいてくると、
そのプレッシャーに対応する方法は人それぞれであることに気付く。
引き出しの中のチョコレートの数が増えて、結果的にオトナニキビを増やす新人。
考え込む時には顎を触るという癖のせいで、もはや顎の感覚すら失った後輩。
私の上司は、締切ギリギリに原稿チェックを依頼すると
「顔のブツブツが増えるからやめて」と本気で嘆く。

ははは、だんだんみんな、病んできたね。
そんなふうに話す余裕も強さも、去年の私にはまだなかったなぁ。

根つめて、脳みそからアイディアと言葉を搾り出すような日々が続いて
あの時は、消耗しきったと思ってた。
一晩寝ただけじゃ、立ち直れなかったミスの始末に追われていた。
もうやだ、と何度も思ったけど、またこうしてやっている。

少しはパワーアップしたかな?なんてのんきに言っている私だけど
本当はもっともっとハイスピードでこなすことを要求されている。

だから、頑張る。





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またテンション上がっちゃった。

先日はお友達の誕生日で、
馴染みの顔が集まって、馴染みのお店でお祝いを。
何をしたわけでもないのだけれど、珍しく自分で準備して
人に声かけて、お願いして・・・とやってみたから
嬉しそうな顔を見たら、こちらの方がお礼を言いたくなった。
そんなに喜んでくれて、
そんな顔して喜んでくれて。

逃すべきでないタイミングというのはやはり、
逃すわけにはいきませんな。
こんな喜びを、逃すことになるんですから。
喜びすぎてか何なのか、何故かずっと泣いてようで、私。
最後はどうも、自己嫌悪が混ざるあたり、
彼女より、いっこ年上とは、つくづく実感し難い。


ともかく。
また1つ年を重ねた友達に、最大の感謝と尊敬を。
そして、今年も幸せがおとずれるように、強く強く、祈りを。

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父さんがくれたアツい思い。

改めて聞く、嬉しい知らせを
文字通り、改めて聞くために彼は。
人込みを離れて、芝生の真ん中にいそいそと移動して、そして。
そこで、その知らせを噛み締めることに。

人がいない所に、ほとんど条件反射的に来た。

想像していたよりもはるかに大きな声と
そのありったけの思いで、直接的な言葉をかけてくれたの。
「おめでとう、よかったね」とね。
ここにエネルギーが、確実に存在する。
これを。
真っ直ぐに受け止められないのなら
病院に行ったほうがいい。

何だか浮かれていますが。
いいのです、これで。




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パニック楽しむ錬金術師

最近通っている学校の課題がだんだんとボリュームアップしてきた。
だから、いつもどこかで急き立てられている雰囲気。
加えて仕事も繁忙期を過ぎ、ものを考える時期に突入しつつある。
頭を抱える時期に入ったなぁとのんきに考えていると、
そうこうするうちに、自分の私生活にも大きな変化の波が。

言うほど忙しくはないのだけれど。
でも、自分でよくぞここまでイベントや課題や仕事を詰め込んだものだと
相変わらずの思いつき人生にため息をつく。
自分の首を絞めているのか?と思うこともあるけれど、
いいえ、これは自分のフィールドを広げているまでのこと。
仕事も勉強も、結婚もすべて自分で選んで決めたこと。
だからこそ、辛いを楽しいに変える錬金術を身につけていくんだ。
・・というわけで、遅ればせながらご報告。
結婚いたします。





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未熟者にも心はある。

仕事をしていると、目の当たりにするものがある。
何故自分はこうも想像力ってものがないのか。
こうしたらいいかなと思ったことのうち、半分くらいしか行動に移せていない。
絶対これはやろう、と思っていたことを、その時になって忘れている。
企画は好きでも、計画性と継続力に欠ける。
この期に及んで言い訳をする。

ドキュメント「私」という映画・・のようなものを見ている人が心の中にいたとしたら
もしいたとしたら、一人、また一人と席を立ち、
映画館の外に出て行ってしまうだろう。
「もう見ていられない」とね。

ほら、例え話すらパッとしない。

でも、そんなことを感じられる仕事と言う場に身をおくことができること。
これが、私にとっての唯一にして最大の、そして最強の幸せなのだ。
こんな未熟者にも、明日は必ずやって来る。
頼むよ。
まかせておけ。
ひとりごちて、眠る。


福岡からの帰り。雲と空の間に、昼と夜の狭間があった。


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立ち向かう理由を探せ

人のことをあれこれするのが仕事です。

そして、そこにあるのは、カオス。
「ハイパフォーマーの素質」?とか
「コンピテンシーレベルが満たない」とか
考える仕事をしているときに、思う。

日々際限なく湧き上がり、向き合うことを余儀なくされる「葛藤」を
どう処理していくか、またその処理の過程で自分の目標を
見失わずにいられるかが、勝負なのだ。
その葛藤の前では、今にも風に吹かれて飛びそうな自分がいる。
台風を前にして怯むその一瞬、人は無力なのだ。今、この瞬間でさえも。

理系頭でロジカルシンキングがもてはやされる昨今。
文型でストレス耐性の不足しがちな私は
自分で自分を棚に上げなければ、何一つ
仕事なんて進まない。その時私は怯む。
人のことをあれこれ言わなければいけない仕事は
多分、自己顕示欲の強い人が向いているよ。あとは任せた、と言いたい。
・・・これをなんとかの遠吠えと言う。

でも、「向いていない」などと言って、選択肢を狭めたり
何かを諦めたりする行為が嫌いだ。
これが私の向かい風に身をさらす、ただひとつの理由か。

ならばこれは、遠吠えではない。



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吹雪に閉ざされた部屋で。

細かい雪が、音もなく、それでいて一向に止む気配もなく、降り続いていた。
路の向かい側のスキー場は、すぐそこに見えて、
硬そうな雪が、申し訳程度に芝生の上に横たわっている。
滑走するスキーヤーも、浮かれたボーダーも見当たらない。
「積もる雪ではないな。」と思いながら、私は目の前の女の子に向き直る。

さっきまでしゃくり上げて泣いていたのが少し収まって、肩の揺れが止まった。
はぁ・・と深呼吸が終わる(これが絶妙のタイミングと私は知っている)のを待って、
最後の一言。声をかける。
「ね、がんばろうよ。」
「・・・はい。」

その後、ご機嫌直しのお気楽トークで一花咲いたら、ちょうどよく40分経過。
最後はけろりとした顔で、ただし、まだ鼻の頭だけは赤いまま、
意気揚々と部屋を出て行くのだ。

慎重にドアを最後まで閉めて、一息ついて、書類を書いたら、コンコン、とノックの音。
ドアの向こうにまた声をかける。
「どうぞー。」


・・・・山篭りの研修最中、配属発表直後の面談のようすです。
そう、私は人事です。
ヒトゴトと書いて人事だけど、ひとごとではいられないのが、それ。
何年か前、私の同期の仲間も、こうやって泣きながら配属先に旅立って行った。
入社後4年間、「のほほん実家通勤」をしていた私には
この切実さは分からないものなのか、それともそのほかの理由があるのか、否か。

みんな辞めないでよ!頑張って。






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たまに泣きたいホトトギス

後輩の異動が決まり、長文のメッセージをサプライズでお届け。
どうやって泣かせる手紙を書いてやろうかとあれこれ思いを巡らせていたら
恥ずかしながら、書いている自分が自分の手紙に、込上げてきてしまった。
自作自演?自演自作?どっちだっけ、どっちでもいいか。

教えていると思ってやっていても、結局自分が教えられている。
してあげていると思っていたら、やっぱり自分がして貰っている。
感謝されたいと思っていたときの自分よりも
感謝できる自分になれたことに、正直ほっとしている。

「代わりはいくらでもいる」ことに傷つくのを恐れていた時は
それでも貴方が大切だよって言われることを望んでいたけど、
大切だよって言ってあげられる人になることを望めるようになって
それに気付いたら、大きく息を吸えた。

気付かせてくれて、ありがとうね。






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今年もありがとう。

「この電車は新今宮へ行くか?」と外国人のカップルらしき二人が
大阪駅の人ごみの中で、地図を指差して聞いてきた。
分からなかったのと、少し急いでいたので、
「I don't know, sorry. I live inTokyo.」とだけ言って
苦笑いして、自分の乗るべき電車へ。
発車までの待ち時間、車掌のアナウンスが停車駅を伝える。

「西九条、弁天町、新今宮・・・・。」

新今宮?って、この電車じゃん!
ホームを振り返ると、さっきの二人はまだ迷っている。
本能なのか、小走りでホームに降り立つと、そのままダッシュで二人の背後へ。
背中をノックした後はすべてボディーランゲッジか、もしくは以心伝心で。
一緒に飛び乗りながらとびきりの笑顔で言われた。
Thank You !

発車した後の電車の中で、何番目で降りたらいいかを
路線図を見ながら確かめている彼女に
背を向ける形で立っていたから、振り返って三本指を立てて言う。
「Third station.」
程なくして、先に降りる私を、二人は同じ会釈と同じ笑顔で見送ってくれた。


・・こんなエピソードを携帯のメールで送ってくるなんて。どうかしてる。
どんだけ時間がかかったか。実際はこれより更に長かったんだ。
そう、これは私じゃなくて友人のエピソードなんだけどね。

「些細なことなんだけど、ほんとに幸せ。
今年知り合った大事な親友に、少し早いけど今年一年の感謝の言葉を。
ありがとう。
来年もよろしくお願いします。」

だなんて。メールの最後にありました。
こちらこそ、でしょう。








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丑三つ時の思索

「私、なんで頑張ってんだろう。」なんて。
このところ何度か誰かに投げかけてみたりして。

そこに理由がなくてもさ、そうやって目の前のことに頑張れることが大事。
と、ある人は言ってくれて、
場面を変えてみることと、期限を決めてみることだと、言ってくれる人がいて。

『代わりなんかいくらでもいる』
痛いほど、分かっている。
だからこそ、走り抜けることに意味がある。
存在に価値はない。価値を生むのは行動。
どこかの会社のパンフレットに書いてあった。

期限を決めて何かやってみようと考えている。
葛藤があるからこそ、葛藤のある人にしか分からない気持ちを知ることができる。
決めた期限の最後の日、私はどんな気持ちでその日を迎えるだろう。
望んでいたとおりの結果を誇らしげに迎え入れるのか
次の何かをその向こうに見つけているのか、
それとも受け入れきれずに、足早に走り去るのか。

それでも決めた何かを持たないと、結果すら出ない。

期限を決めて、場面を変えて、勝負に出るのか。私。
どちらにしても、こんな時間に覚醒している場合ではないのだけれども。




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「おはよう」が似合う景色

離陸する直前に、富士山発見。
朝日に照らされて、オレンジ色に染まった飛行機の翼の向こう。
夏に見るそれよりも、雪を被っているというだけで何倍も荘厳さを増している。
白くて大きくて。美しい。

日帰りで出張で、早朝という三位一体のどんより感を
ぎりぎりに起きて慌しく家を出た後の焦燥感を
すべて「報われた」感に変えてしまう。
早起きはするものだ。
徹夜はするものじゃない。
ひさびさに健全なことを思ってみたりする。


そんな風に一日が始まればもう
ひとりデッキでスキップするくらいのテンションで。

お好み焼きは広島風が好き。
とくに広島のおばちゃんに作ってもらうやつが。
「これも何かの縁じゃけぇね。」
と、言いながら焼いてください。




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あなたのまねごと。

目標をたてるという行為を、自ら敢えてした試しがない。
例えばそれが、「酔って人に迷惑をかけない」とかそういう内容だとしても。
そう話した友達を「なんだそれ」って笑ったのは私だけど
その私はそんなことをしたことがない。
こうしようと思ったことを自ら決め事として「目標」と呼ぶことが
ここ数年のうちでもあっただろうか。

心の奥でそう思っていてもそれにその名前をつけた途端に
ぐっと重くのしかかる、重み。その正体が何か知らない。
その知らない何かに名前をつける気にはならない。

などと。

駄々こねてる間に来年が来る。
「目標は?」
と聞かれてしまう、年末と年始が。

下手をすると、みんなの前で発表することにだってなる。
そして、そのとき5秒前に考えて「目標」と名を授けて生まれた言葉が
忘れ去られるのには、3日かからないのだ。

でもそれについてあれこれ考えている私は
こうやって考えている私は
何かをしたくて仕方がないのだ。

憧れなのだ。
「スタバ持って出勤」的な。
簡単なことさー。
寄り道してコーヒー買って出勤するぐらいに。

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制服・放課後・交換日記

四の五の言って、ゴネて立ち止まることが、
最近どんな場面にあっても多くて、
それが大人になることなのかと思っていたけど
そうじゃないことに長電話の中盤で気がついた。

切り際がわからなくなるぐらい、長く話すことが最近多いな。
短絡的ですけど、それが幸せだ。
もちろん、相手の時間も自分の時間も無駄になってなきゃいいな。
無駄遣いしたかな。
相手がそう思ってなければいいな。
思ってないな、たぶん。だからいいことにする。

4月に入社を控えた学生に会って、話したり
中学のときのトモダチと話して、
青臭かった自分の記憶を何年ぶりかに再生させられたり
そんなことをしてると、
恥ずかしくてしょうがないんだけど、
青臭くてしょうがないんだけど。
でもなんか、いい。っていうことは、

実家から東京に戻る直前に、母親がビニール袋に詰めてくれた
庭で採れたトマトが美味しい。
これが妙に美味しいのとは何か関係があるだろうか。

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バイバイ メランコリー

空気がどれほど、秋の装いを気取っていようと
夕方から夜になる間に少しの雨が降ろうと
私のデスク半径20メートルの出来事には何ら関わりのないことだ。

季節を感じたいのはヤマヤマ。
でもそうさせてくれない。
「季節は感じるんじゃない、肝に銘じろ」とばかりに
説得力を持つものは。
それは。
締め切りだ。
それでも何かに追われている日々は
全くもって悪いものではない。
せっつかれるのが嬉しくて仕方がない。

手に入れたいと思ったものが、手に入らなかった時は、苛立っていた。
でも、実はそんなものは最初からなかったんだと気が付いたら
追いかけていた時間すら愛しく思えた。
下ばかり見て歩いていたら、首の後ろだけ焼けてヒリヒリするんだ。
きっとね。
百円玉は落ちてはいない。

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その大関の海に溺れて


大阪から東京へ向かう新幹線の中
ワゴンを待てずに2両先まで歩いていってお姉さんからワンカップ購入。
お姉さんがワゴンを引いて席まで来たらまいどあり。
また購入。

車掌さんが来た。切符拝見いたします。
あごめんなさい。私指定席とります。


とか。やってました、出張帰りですけど。
そこから先のワンカップ片手の話の
広がりたるや。
深まりたるや。

やっぱりああいう人になっていたい。
私が年を取って50歳になった時、自分の家族はもちろん
それ以外にどれだけ大切な人を抱えていられるだろう。
その人たちの為に捨て身にどれだけなれるだろう。

大切な人に出会うことも人生のうちの大きなイベントのひとつだ。
でもその人達の為に、し続ける何かをもつことはもっと貴重だ。

ちゃんと歳をとっていきたい。
抱える何かを持てる強さとともに。


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微笑むまで、傍に居て。

すごく素敵な人が、ここにもいたか。
ここ数日の間で何度も何度も思い出す、あの人の横顔。
知ってる人の中でも、とても大好きな人の奥さんなんだけど
見た瞬間から釘付けだった。
ひとめぼれって信じてなかったけど、もしもそういうのが自分に訪れるとしたら
ああいう感じだろう。
初めて味わう感覚の相手がまさか、女の人だなんて。
あ、でも初対面じゃなかったはずだ。から、厳密にはひとめ、じゃないか。

人の持つ空気には力がある。
人を怯えさせる力も、泣かせる力も、微笑みを誘う力も

会うと思わずにやけてしまうような相手というのが、理想の結婚相手。
っていうようなことを、村上春樹が言っていた。私はあの時、思わずにやけていた。

いやいや、だから女の人なんだって。

あの人は幸せ者。
人の頬をあんなに緩ます力を持った人のだんなさんだなんて。

つきましては、私も目指すよ、ひとめぼれ力。空気力。微笑力。
でも、それは小手先じゃないな。自分をほんとにほんとに磨きたい。
そんな風に思わせてくれて、ありがとう。



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眉毛の間をズームアップ

後輩の眉間に皺がよる。皺がよる。皺が刻まれている。
まだ若いのに皺がある。いつもある。なくならない。

慌てているんだ。焦っているんだ。てんぱっているんだ。

でも後輩よ、てんぱるのはいいことだ。
君の若さなら、いくらでもてんぱることだ。
お姉さんは、もうてんぱるのも、自分のことをお姉さんと呼ぶことも、
躊躇する歳なのだ。
そんな時がいつかくるなら、皺など気にせずてんぱるべきだ。

てんぱる君に幸多かれと、祈る。
てんぱる君が可愛いよと、囁く。
私だって本当は、てんぱっているよと、呟く。

今日も秋の日が暮れる。
秋の夜風が身にしみる。
あの娘の眉間に皺がよる。あぁ。

『眉間に寄せる応援歌』より(未刊)

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潮風の後押し

海から吹く風は湿気が多くて、普通は不快に感じるものだ。
元来山育ちの私にとってはなおさら。
でも今日のは例外だった。

びゅーびゅー、ボーボー。
挑戦的な風の音は私の闘争心を鼓舞し、明日への活力を・・・
なんてことは、まるでないんだけど。
ただ、灰色の空を見ながら何を考えるでもなくもやっとした風にあたっていると
風が通り抜けるというよりも、私の後ろ頭を小突いたり
背中を押してから、少し躊躇して通り過ぎたり
意思のあるなにかと話でもしているようだった。

赤レンガのカフェバーでは結婚式の二次会の準備。
吹き荒れる海風から、整えた髪を守るようにかき上げながら
オープンカーの後部座席に鎮座する花嫁。
通り過ぎるときに「おめでとうございます」なんて声かけてみたりして。
普段ならそんなに気さくに話かけたりしないのに。
やっぱり海風に背中を押されたのかな。

おかげで風が運ぶ潮が、髪に絡み付いて
バリバリでございますよ。

友人のダンスの発表会を見に関内へ。
セクシーで悩ましげなダンスは
基本を押さえても誰にでもあのオーラが身につくわけではない、
ってことがよく分かった。

帰りに歴史博物館に忍び込んでステンドグラスを隠し撮りした。


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褒めて、伸ばして。包み隠すわがまま

いろいろとお話を聞いて貰ってありがとうって
もう言ったっけ?
私の右へ左へ移動するいくらでもふらふらするこんな話も
最後まで聞いて貰って本当にありがとう。
優しくして欲しくてなんかへこんだふりとか、実はします。
ごめんなさい。
こんな私の話をよくよく最後まで聞いてくれて
本当にありがとうございます。
と、いわなくちゃいけない相手が、たくさん。
いい加減にしろ。私。

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湧き上がって、漲るなにか

人の話を聞くことは、結局自分のためだ。

「悩みを聞いてあげた」なんて思ったりしてみて

人の役にたったような満足感があるけど

その満足感の直後に「そんなことをいう自分てどれ程の人間か?」なんて

自問できれば、例え酔っていたからとは言え

そんな話をしてくれた相手に感謝する。

情けは人のためならず、って仰々しい言葉を等身大で感じた。

そう感じさせてくれたのはやっぱりあの人で、やっぱり感謝だ。

ここから更に少し踏み込んで、背中を押してあげられればいいんだけどな、

と思いつつ、あの人に次に会うのはいつかも分からず、

やっぱりまたふと会えたときに話ができれば、いいなと思う。

そう考えている自分の中に、間違いなく何かが湧き上がって、漲っている。

やっぱり、ありがとうって言いたいし、応援してる。

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エンジンの音さえも吸い込んで

飛行場の見える公園へびゅん。
海を見渡すベンチでぽかんと。

背後からは、旋回して降りてくる飛行機のジェット音。
その音で「どの会社の飛行機か?」を当てる遊びをしながら
この目とこの耳はそもそも何のためにあるのかなと、考えてみたりした。
少なくともその時は、
ジェット音の判別と予想した結果が正解かを見るためだった。

聞こえるものと見えるものは、誰でもさほど個人差はなく、
それをどう感じるかが、一人一人の何かを変える。

考えていたら眠くなって、帰りの道で危なかった。

どちらにしても何かが変わるなら、一歩前に踏み出す力を
目から、耳から、鼻から、口から吸い込みたい。
バイクで風を切る体が、
全身で呼吸をしているかのように感じた、あの感覚にも似て。

明日は雨が降っていなければいいなと思った。







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